事業に貢献できる「強い法務本部」を目指し、MNTSQでナレッジマネジメントを積極活用

事業に貢献できる「強い法務本部」を目指し、MNTSQでナレッジマネジメントを積極活用

三菱ケミカルグループ株式会社

導入の背景

・会社統合後に新しいシステムを導入したが、ナレッジの一元化ができないなどの別の課題が生じた

・案件管理ができておらず、属人性が高まっていた

導入の効果

・ナレッジが一元化され、検索機能を活用して業務効率が向上した

・ダッシュボード機能を活用し、メンバーの負荷などが把握できるようになった

三菱ケミカルグループ株式会社は、「革新的なソリューションで、人、社会、そして地球の心地よさが続いていくKAITEKIの実現をリードしていく」をグループのパーパスとして掲げています。カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーといった社会的な要請への対応は、持続可能な社会の実現に向けて喫緊に取り組まなければならない課題と考え、グリーン・スペシャリティの 化学会社として、その解決へ貢献しています。

有機・無機の化学工業製品全般を取り扱う三菱ケミカル株式会社、医薬品を中心とした事業を行う田辺三菱製薬株式会社を含む、国内外のグループ事業におけるグローバルな経営管理を担う三菱ケミカルグループ株式会社の法務本部で、リーガルテックに取り組む流れの中、MNTSQを導入いただきました。

今回は、法務本部でMNTSQを導入する際にあった課題や導入後の効果、今後の展望についてお話を伺いました。

<参加者>
法務本部 法務戦略&オペレーション部 部長 花輪 邦章様
法務本部 ケミカル法務1部 米道 直輝様
法務本部 ケミカル法務2部 石川 千尋様
※以下、敬称略
※2024年9月時点での役職です


法務メンバーの育成や法務部門の強化を担う「法務戦略&オペレーション部」

  • 三菱ケミカルグループ様の法務部門における体制について教えていただけますか。

花輪:
当グループ全体の連結従業員数は約6万6000人で、法務本部には、日本だけで50名ほど所属しています。

50名でグループ会社全体の法務業務を見るというのは難しいので、他の主要なグループ会社では、そこの法務担当が直接契約関係を見ているところもあります。重要な案件についてはこちらに相談をしてもらう、場合によっては外部の弁護士事務所と連携するといった形で、グループ全体の法務リスクの低減に努めています。

  • 三菱ケミカルグループ様ならではの、法務部門の特徴などはありますか?

花輪:
グローバルな総合化学メーカーとしての法務部門の体制を整えています。先ほど申し上げた日本のチームの他に、アメリカ、ヨーロッパ、中国、APAC(アジア太平洋)地域の4拠点にもリージョン法務部があり、現地の法務相談や契約審査を担当しています。

手掛けている製品や事業が非常に多岐にわたる中で、取引先は日本国内だけには留まらず、海外にも取引先がいらっしゃいます。契約書ひとつとってもかなり多様です。そういった環境の中で、グローバルな法務部門の横の連携を深めながら、各種情報へのキャッチアップ、法規制への対応、さまざまな形の契約に携わっているというところも、我々の法務本部の特徴としては大きいかと思っております。

日本の法務本部の中には、「ケミカル法務1部」「ケミカル法務2部」「知財契約マネジメント部」に加えて、私どもが所属する「法務戦略&オペレーション部」があります。「法務戦略&オペレーション部」では、先ほど申し上げたグローバルな観点も含め、法務メンバーの育成や、法務部門の強化などを含めて担当しています。

  • 「法務部門の中」にメンバーの教育や部門の強化を行う体制があるのはちょっと珍しいですね。

花輪:
法務部門をより強化して、究極的には事業貢献できるような「強い法務本部」を作っていきたいと考えています。

近年では法務業務の効率化や高度化を目指す「Legal Operations(リーガルオペレーションズ)」という言葉も出てきていますよね。しかし、法務本部員は日々の業務があるので、そこにプラスして企画なども行っていくのは難しいことです。ですから、法務本部内に企画専門の部署を置き、法務の中長期的な戦略や、メンバーに法務でのキャリアを重ねて活躍していってもらうにあたってどんな経験やスキルが求められるのか、どういった育成プランを提供できるのか、などについて検討できる体制を作りました。

会社統合で新システムを導入。しかし新たに別の課題が生まれる

  • MNTSQを導入されるにあたり、これまではどんな課題があったのでしょうか?

花輪:
導入のきっかけは、三菱ケミカル社発足のきっかけである2017年4月の統合でした。統合した3社(三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨン)それぞれに法務があったのですが、3社それぞれ、契約の管理や知見共有の方法が異なったり、独自のツールを使っていたりしていたのです。それが、会社の統合により法務も一体となったため、バラバラになっているものをどうまとめていくかが課題となりました。そこから、契約審査や案件管理についてリーガルテックを取り入れて統一化していこう、という形になりました。

  • 3社統合を機に、システム統一のための新しいツールを導入されたのですね

花輪:
はい。ただ、新しいシステムを導入して運用を始めたのですが、「運用が定着しない、必要なナレッジが一元化できず、効率化できない」という次の課題が出てきました。

法務は属人的になりがちな職種ですが、法務本部全体へ先人の知恵を行き渡らせ、属人化を防いでいかなければなりません。しかし、ただシステムを導入しただけでは、属人化の解消までには至らず、ある人の経験を他の人が活用して効率化・高度化していきたいと考えた際に、そもそもそのナレッジがどこにあるのかわからない、という問題が出てきたのです。解決のために、まずは、ナレッジを集約、検索できるようにして、さらに活用できるようなシステムの導入が必要だと考えるようになりました。

また、業務の平準化や効率化、最終的に高度化を目指していく中で、メンバーの業務負荷がどれくらいあるか、新しいプロジェクトが出てきた際にどのように割り振っていくのかなどの案件管理ができるツールの需要も出てきました。その辺りをまとめて解決できるようなツールの検討を、という流れになりました。

  • システムを導入後、さらに別の新しいシステムを検討、という流れに対して、法務部の皆さまの反応はいかがでしたか?

石川:
私個人としても新しいものにトライしてみたいと思っていましたし、法務本部全体としてもそうだったと思います。

例えば、これまではメールで一人ひとりが個別の相談を受ける形だったので、同じような相談があったとしても、過去に担当した人や担当分野の入れ替わりがあるとまた一から調べ直しになり、とても非効率でもったいないことですよね。ナレッジが一カ所に溜まるというのは、メンバーにとってもありがたいことなので、ぜひという雰囲気があったのだと思います。

米道:
法務本部の全員が「一元化を進めていった方がよい」という共通認識があったので、導入しやすかったと思います。

花輪:
しかしながら、やはり法務本部全体でシステムを刷新しようとなると、法務戦略&オペレーション部だけで進めるのは難しい面も出てきます。せっかく導入しても使ってもらえないというのが一番良くないと思っていたので、日々の業務に接している法務本部のメンバーがどういった機能を必要としているのかなど、いろいろな意見を聞きながら、システムの切り替えを進めていく必要がありました。

MNTSQへの理解を深めて、法務部門全体のニーズが実現できることがわかってきた

  • MNTSQを知っていただいたきっかけは何でしたか?

花輪:
セミナーのご案内をいただきました。2022年頃に「MNTSQという良いシステムがあるから切り替えの検討をしてみよう」という話が出てきまして。

先ほどの話の通り、それまでのシステムの活用がなかなか進んでいなかったこともあり、契約の検討から締結、保管という一連の契約のライフサイクルがMNTSQで管理できるとこれまでの課題も解決し、効率化できるのではないかとなりました。長島・大野・常松法律事務所(NO&T)とも連携されているとのことで、MNTSQを優先して導入を検討していったという流れです。

  • 他のシステムとの比較・検討というプロセスではなかったのですね。

花輪:
せっかく導入するのであれば、まずメンバーに使ってもらえるようなものじゃないといけない、ということが前提でした。MNTSQの理解を深めていくうちに、「検索性が優れている」「案件管理ができる」「ダッシュボードで見られる」など、法務本部のニーズを実現していることがわかってきたので、最終的に決めました。

  • 新しいシステムを導入する際にはハードルが高いこともあるかと思います。MNTSQの導入が進んだ理由は何だったのでしょうか。

米道:
トライアルの際に説明会も実施しまして、法務本部全体で「これからMNTSQでやっていきましょう」という共通認識で円滑に合意できていました。導入時にさまざまな意見が出ましたが、MNTSQの導入支援の方がしっかり寄り添ってサポートしてくださったので、うまく準備が進められたと思っています。

花輪:
どうしても今までのやり方を変える形になりますので、「変えた時に今のシステムより良くなるのか?」という意見もありました。MNTSQについていろいろとご説明をいただいた後に実際に試してみたら、意見を出した本人がMNTSQのいろいろな機能を使いこなしていて「使いやすい」という感想が出た、ということもありました。

過去の事例が全て検索できて情報を探すための時間が効率化された

  • MNTSQを導入した後の効果についてお聞かせいただけますか?

米道:
MNTSQに過去の事例が全部入っていて検索できる、という安心感がありますね。相談が来るとまずMNTSQを開いて、類似の案件がないか、使える条文がないかについて検索するようになりました。以前はメールなどいろいろな場所を探す必要があったのですが、一元化できて、非常に仕事がしやすくなったと感じています。朝に業務を開始したらとにかくMNTSQを開いて、そこでどんな案件があるかを確認するところから1日が始まります。

石川:
これまで過去の案件を探す際は、メールしか情報が残っていない状況でしたので、案件を担当した方に聞いて、メールを探してもらって、それを転送してもらう……というような流れだったのですが、MNTSQではパッと検索をすれば結果が出てきてかなり効率的ですし、情報を探す時間が減りました。また、交渉の経緯やどんな話がなされたかについてわかるのも便利ですね。

  • ナレッジ集約と検索が一番便利に使っていただいているという感じでしょうか?

石川:
毎週の会議で、全員で案件の進捗を確認するのですが、案件管理のダッシュボード機能のグラフなども活用しています。法務の契約審査やプロジェクトには季節性などはあまりなく、依頼の件数も読めない部分が多々あるので、一時的に特定のメンバーの負荷が高まってしまう、ということが発生します。MNTSQのダッシュボードで可視化できるようになったので、大変役立っています。

MNTSQの各種機能を使いこなしたい。AI契約レビューにも期待高まる

  • 今後法務部として取り組んでいきたいと考えている展望などを教えていただけますか?

花輪:
MNTSQの導入をしてからまだ1年目で、使い切れていない機能があるかと思います。ナレッジマネジメントなどをしっかり使いこなして、メンバーの意見なども聞きながら、MNTSQの担当者様とお話しさせていただき、お互いに有益な形で進めていければと思っています。

また、今後はMNTSQのAI契約レビューについても非常に期待しています。過去のナレッジを使って会社ならではのAIを使ったレビューができてくると、それをたたき台にまた新しいことを考えられますので、いろいろ活用していきたいと考えています。

石川:
タグ付け機能や付箋、お気に入り機能などまだまだ使えていないところがたくさんありますので、みんなでMNTSQを使いながら、機能について勉強していきたいと思います。

米道:
日々MNTSQの利用が進むと、データもどんどん溜まっていくのですが、その検索結果の中でどのデータが有益なのかについて色分けができると、もっと効率化されていくのではないかと思っています。タグ付け機能などの活用も考えていきたいですね。プロジェクトやトラブル案件についてはまだ管理ができておらず、案件の特性上アクセス権限に制約を設けなければならないという課題はありますが、MNTSQで管理していけるように今後取り組んでいければと思います。

三菱ケミカルグループ株式会社の皆様、お忙しいところ、貴重なお話をありがとうございました。

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